2022年07月29日
代替案を提示する意味とは?
先日、あるクライアント先で営業部の定例会議に出席したときのこと。新規顧客としてアプローチ中のA社に対し、「最後の一押しをどうするか?」をBさんとCさんが議論していました。ちなみにクライアント先は都内、A社は東海エリアにある企業です。
Bさん:「A社ですが、現段階でなんとなく手応えは感じているので、あと数回ほど訪問し、契約にこぎつけたいと思います」
Cさん:「えっ、訪問ですか? そんなの時間も交通費も勿体ないですよ」
Bさんは、A社の社長や担当者は、”わざわざ足を運んでくれる”ということを重んじるタイプなので、訪問にこだわりたいと主張。しかし、Cさんは引き続き反対するばかり・・・。次第に会議の空気も重くなり、他のメンバーが発言する様子もありません。そこで私は、Cさんに「反対意見は分かりましたが、それであれば何か案はないか?」と問いかけてみましたが、Cさんは「うーん」と言ったまま、口をつぐんでしまう始末・・・。一方Bさんは、イライラしている様子です。
このように、会議での発言に対してただ反対意見だけを言われる。言われた本人は否定されたことで、気分が悪くなる。他のメンバーからは、(同じような気分を味わいたくないので)発言が減る。そして、会議全体の雰囲気が悪くなる・・・。このような経験をされた方は、多いかもしれません。
ここで重要なのは、「反対意見を伝える際、あわせて代替案も伝える」ということです。先ほどのケースでは、発言した方は否定されただけ。提案内容を進めることもできず、プラスの要素が何も生まれません。
例えばすぐに訪問するのではなく、事前に提案書を送りオンラインでヒアリングをするなど、他の方法もあるはずです。そういった案を出すことで、訪問にこだわっていたBさんも、「なるほど!そういう考え方もあるのか・・・」と思い直すかもしれません。
そして、代替案を出したことがきっかけとなり、ほかのメンバーが会議中に意見が言いやすくなり、思いがけないアイディアが生まれる場合も! もちろん、意見が完璧にまとまっていなくてもOKです。大事なのは、何かしらの意見を相手に伝えること。それを皆で考えていくプロセスや、会議の中でメンバー同士がコミュニケーションを取ることが重要なのです。ぜひ次の会議から、意識してみてはいかがでしょうか。