[BO業務改善]

2022年06月21日

とある販売系の会社のTさんはアイデアマン。数字に強いところも彼の強みです。しかし、ここ数年、会社の売上げは落ち、壁にぶつかっていました。Tさんにはその壁を乗り越えられない原因がわかっていました。

それは会社が慣例を踏襲しているということ。新しい何かをしないかぎり、売上げは伸ばせない。そのためのアイデアは自分のなかにたくさんあり、生かしていく自信もある。ただ、それを社長にうまく伝えられずにいました。

そんなもやもやした状態のTさんでしたが、私や幹部の方々とのミーティングを重ねるうちに、頭のなかが整理されてきたのか、最近本音で話をすることができるようになりました。正直に自分の思いを吐き出していくことで、社長をはじめ、他のメンバーも問題点を共有することができ、会社がいま何をしなくてはいけないかが見えてきたのです。

以前、別の会社のミーティングに同席した知人から言われたことがあります。「普通、白紙の状態で始まった話し合いは白紙のままで終わってしまう。西端さんは白紙の状態から、相手がやりたいことをちゃんと引き出している。これって誰にも真似できませんよね」と。これは自分でも気づかなかったことでした。でも言われてみると、落としどころを見つけたいと思いながらミーティングをしたことは一度もないのです。

振り返るとTさんの場合もそうでした。ヒアリングをしながら、こうしたほうがいいとか、これはやめたほうがいいなどと言ったことはありません。私や幹部の方々と話し合うなかで、Tさんが自分の思いをきちんと伝えることが今もっとも必要だとわかり実行に移せたことが、結論を導き出すことにつながったのです。

Tさんがやりたいことはまだ形になっていません。でも、会社に何が足りないのか、この先どう進んでいけばよいのかが明らかになり前進できたこと、なにより普段思っていたことを皆にありのまま伝えられたことは大きな成果です。